よく科学と技術をくっつけて「科学技術」なんて言い方をする場合がありますが、科学と技術というものは一概に連続しているとは限りません。
大学院生をしていると自分の研究が将来、仕事に役に立つとか、専門能力が活かせるとか思うかもしれませんが、大学院で研究することの大半はScienceであり、Technologyとは懸け離れたものである場合が多い。
製薬系や化学系なんかだと、大学院の研究が仕事と直結するケースもあるようですが、狭き門です。
たとえば私の修了した研究科は「情報科学研究科」というのですが、「情報科学」と「情報工学」は非にて異なるものです。
情報工学というと情報処理などの実用技術を指す場合が多いですが、情報科学の場合、バイオインフォマティクスや人間工学、メカトロ・ロボットなど機電系やバイオに近いようなことをする場合が多いです。
企業の方に注意して頂きたいのは、情報科学研究科のような「科学」とつく研究科が行っているのは基本的にサイエンスであるということです。
「情報=IT」ではありませんよ!
たまに勘違いしている企業人を見るのですが、大学というのは科学や学問をする場であって、実用技術を習得するための場ではありません。
専門技術を習うのは専門学校や高専です。
私たち大学院卒より、高専卒のほうが専門技術にはたげています。
ですが、高専卒が習得している技術は現在の技術であり、将来に必要になるかもしれない先端技術については習得していません。
私たち院卒は将来必要になるかもしれない先端技術を学んでいるという認識が必要です。
「高専で学ぶこと=技術」、「大学院で学ぶこと=科学」とでも解釈しておいたほうがいいかもしれませんね。
自分は科学なんかより、専門技術を身につけたいというならば、大学院より、専門学校に入学したほうが得かもしれません。
しかし、大学院というところは先端科学を学べる唯一の場所です。
生涯のうちに何年間か科学を学ぶというのも悪くない選択だと思いますよ!
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