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2010年12月5日日曜日

雑記 : 社会人ドクターについて

少子化の影響下どうか、社会人を大学院に入学させる動きが活発化していますね。
社会人ドクターというやつです。
一般的に社会人ドクターとは「勤務しながら博士課程に在籍している人」という意味です。
会社を退職して博士課程に入学する人は含まれません。

大学の先生の話を聞いていると簡単に社会人ドクターを薦めるような方も多いですが、「博士」の学位は簡単には取れません。
もともと、博士並みの実力がある人は簡単に取得できるようですが、一から勉強して博士号を取らないといけない人などは週に2日くらい徹夜して、仕事が終わった後、深夜まで自宅で研究し、休日はすべて研究に費やすくらいの覚悟が必要です。
それでも、3年間で博士号を取れる人は少ないようです。

私は社会人ドクターではありませんが、実は博士課程修了後、半年ほど仕事が終わった後や休日で研究活動をしていた時期があります。
学位取得後だったので、仕事を優先してギブアップしたのですが、相当、きつかったです。
私は持病があり、徹夜などはできないため、ギブアップしないと体を壊しかねないと判断しました。

経験したことが無い人には「論文を書くなんて簡単」などとすぐに言う人がいますが、論文というものは「文献」なわけで、そんなに簡単には書くことができません。

最近はインターネット上で科学技術論文を残すため、論文そのものはともかく、論文を書いたという情報は半永久的にどこかに残るわけですし、投稿した学会がなくならない限り、何十年後でも文献複写依頼で取り寄せができる状態になっています。

査読が緩い、もしくは、査読がない学会などは簡単ですが、きちんとした査読が入らない論文というものは同人誌以下であり、はっきり言って誰も読みません。

査読の入らない研究会や講演会というものは実際には研究者同士のコミュニケーションが目的であり、こういったものは業績や修了要件には加算されません。

論文誌ともなると、よほど能力とネタに恵まれた人以外は3年間で1報~3報書ければいいほうです。

普通の博士課程の学生が週6~7日かけて3年間で修了するところを週2日とかで修了できると思うのは間違いです。
学業というものは修めるためには相当な犠牲が必要です。

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