大学院は成人してから進学する学校なので、すべては自己責任という話は以前しました。
私は博士後期課程を修了して、2年ほどになりますが、社会人としての自覚が出てきたのが、恥ずかしながら1年半くらいからだと思います。
私が社会人になって、上司に言われた言葉があります。
「学校は学費を払って教育してもらう場所なのだから、設備や教育方法、図書などが、充実しているのは当たり前。会社はお金をもらいにきている場所なのだから、全く逆。教育や環境が充実していなくとも、仕事を覚えてなんとかしろ。」
といわれました。
言われた当初は、十分な教育や設備が無いのに、どうやって、仕事を覚えろというのかと疑問に思いましたが、社会人としては基本だと今では思っています。
私の勤めている会社は少し独特だと思いますし、さすがに他の会社では教えてもいないし、知りもしないことをやれとは言われないと思いますが、この言葉は肝に銘じておいたほうがいいと思います。
つまり、学校は「教育というサービスを受ける場」。
社会人になるということは、「誰かにサービスする立場になること」です。
大学院だと先生に指導を受けながらがんばって研究していると自分はきちんとできているという錯覚に陥りますが、実は間違いです。
単に先生から「研究教育」という名のサービスを受けているだけであり、それ以上のものだと考えないほうがいいと思います。
大学の先生自体、ほとんどが、大学という世界しか知らない人なので、そのあたりの認識すらないと思いますが、企業に勤める人間からするとその程度の認識です。
私の先生は大学の先生になる前に起業していた方なのですが、さすがに元経営者ということもあり、人の扱いがうまく、在学中は気づきもせずに先生の手の平の上にいたようなものでした。
今考えると、先生は私に「博士号取得」のための必要な教育をしていただけで、「社会人になってから必要になるスキル」などは一切教えてはくれませんでした。
大学というところはある意味、治外法権です。
社会で役に立たないようなことでも、科学技術の発展という名の元に学生に指導します。
自分が何をしたいのか?というところを十分に考えて、先生から得られる利益は何なのかをじっくりと考えましょう。
先生は頭も良く、人の扱いもうまく、要領のいい人です。
中には学生の将来を真剣に考えてくれる先生もいることはいますが、「所詮は先生」です。
小学校や中学校や高校の先生となんらかわりはありません。
ただ、勉強を教えるだけですし、それ以上の能力も持っていません。
また、よく言われることですが、一つだけ、覚えておいたほうがいいことがあります。
「相手が自分にとって都合の良いことを言ってきたときは疑え。」です。
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