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2010年10月26日火曜日

「修士」について考えてみよう! パート4

「パート3」の私の話からも分かるように一生懸命勉強したからと言って、必ずしも良い仕事に巡り合えるとは限らないと感じた方も多いと思います
人生いろいろです
「学位」を取得しようとしまいと、それ自体で人生が決まるようなことは決してないです
このことは、これから書く、修士修了後に就職した私の知人らにも言えると思います。

某国立大学を主席で卒業した友人

この友人は大学院からの友人なのですが、技術的にも学術的にも人間的にもとても優秀な方だと思います
実は私と同期で三菱重工に入社した人なのですが、5年間ほど勤務された後、コンサルタント兼研究員に転進されました
それからは会っていないので、どうなったかは分かりませんが、三菱重工の退職への後悔は少なからずあるようです。
三菱重工時代からやり手だったので、勿体ないと思いました
こういう人もいます。

自動車好きの友人

某大手自動車メーカーに就職した友人もいます
今でも勤務されていますが、やはり、自動車メーカーともなるとコストカットや品質管理などが相当厳しいそうで、かなり大変そうです
それでも、休日に旅行に行ったりするなど、活発に遊ぶときは遊んでいるそうです
同期の中で、一番賢いのは彼かな?とひそかに思っていたりします

福祉機器関係の仕事を選んだ友人

学生時代から「おじいちゃんやおばあちゃんを楽させてあげられるような仕事がしたい。」と言っていた友人がいます
彼は福祉用ベッドを作っているメーカーに就職し、今でも勤務されています。
ここまで書くと、一見、彼の目標は達成されたのか?と思われるかもしれませんが、実際はどうなのかな?と疑問になるところがあります。
実は彼は某公立大学を主席で出た人なのですが、とても優秀で会社の評価が高かったらしく、直接的に福祉機器を作る部署ではなく、研究部門に配属されたのです
しかも、研究している内容が、工学というよりは「生物」に近いようです
彼は自分の仕事に満足しているんだろうか?と疑問が残ります。

修士取得でキャリアアップをはかろうとした後輩

広島の方の高専の専攻科を卒業した後、愛知の変圧器メーカに3年間勤務後、修士課程に進学した後輩がいます。
前職では品質管理をしていたらしく、あまり給料も上がらなかったということもあり、修士課程に進学しました。
ちなみに企業によっては、3年以内であれば、職歴があっても大学院修了後、新卒として扱ってくれるところもあります
そのような会社を探して彼は某化学メーカーに就職しました。
化学系の職種は他のメーカーより基本給が高いので、彼の給与は月4万円ほど上がったそうです
彼は大学院を利用してキャリアアップしたケースに分類されるのかな?と思います。

留学生の友人

マレーシア人の友人がいました。とても語学が堪能で、英語、マレー語、中国語、日本語をほとんどネイティブ並みに話す人です
しかし、日本での留学生採用は少なく、彼は大学のコネクションを利用して、あまり大きな会社ではありませんが、海外でも活躍できる仕事を自力で見つけてきました
今でも大阪に住んでいますが、たまにアジアなどに出張しているそうです。

留学生の後輩

私が博士課程のときの後輩で、⑥の友人と同じくマレーシア人です。彼も4カ国語を話します。
彼はとても要領が良かったので、学校推薦を使って、某大手電機メーカーに就職しました
彼曰く、「日本でお金をためれば、国に帰ったあと、楽ができる。」だそうです。
まあ、決して、悪い人ではないのですが、留学生の中にはまだまだこんな人もいます。

インターンシップに行って「その気になった」後輩

博士課程のとき、ちょっとお調子者の後輩がいました
彼はトヨタ自動車にインターンシップに行って、社員から「うちに来ない?」といわれたのを真に受けて、自分はトヨタに入社できるものと信じ込み、見事に玉砕しました
傍目から見ていたら、社交辞令だろうと思うのですが、彼はそれがわからなかった。。。
その後、確かアイシン精機に入社しまいたが、「自分ほどの人間ならば研究開発の仕事に就ける」とか言っていましたが、傍目から見ていても彼はそれほど優秀な人間ではなかった気がするのだが。。。
まあ、大学院にもいろいろな人がいますよね?
私もあまり人のことは言えませんけど。。。


ざくっと、私の知人の中でも特徴的な人の例を挙げてみました。

書いてみて、あまり参考にならないような気がしてきましたが、こんな人もいるよ。程度で読んでください。

「「修士」について考えてみよう!」についてはこれでひとまず終わりにしたいと思います。

また、何か思い出すようならば「パート5」をあとから追加するかもしれません。

次は「「博士」について考えてみよう!」でお会いしましょう!

それでは。。。

「修士」について考えてみよう! パート3

最後に「修士号」を取得した方がどのような進路を辿ったのか、私の知人を例に紹介してみようかと思います
私は技術系出身なので、話の内容は技術系に限ります

私の場合
地方工業大学で4年間、他の人が遊んでいる間や休みの日もずっと勉強し続けて、大学3年生くらいのときには、「このレベルの大学に残る意味は無いな。」と感じ始める。
1年生のときからとてもお世話になっていた先生が3年生に上がる年に定年退職されたため、大学院まで指導を受けたいと思えるような教官が母校にはいなかったんですよね。。。
というわけで、他大学を受験しようと3年生のはじめの方から意識し始めました
私は福岡出身なので、近場でレベルの高い大学というと九州大学しかなかったのですが、私はシステム制御を学びたかったので、情報系の大学院に進学したいと思い、関西圏に情報系の制御に強い大学があったため、そちらを受験しまいた。
母校からは他大学の大学院への進学の実績はほとんど無かったので、先生から白い目で見られながら、入試の対策を練り、4年生のときになんとか合格。
一応、第1種奨学金と大学の寮に入寮することができたので、成績は真ん中くらいだったようです。

大学院に入学してからは、地方大学と全国区の大学のギャップにかなり戸惑いました
地方私学では、工学部の場合、エンジニアになるために直結するような教育がなされるのですが、国立大学となると第一義は「研究者育成」なので、学問に取り組む姿勢自体が根本から違いました。
特に私の所属していた研究室はアカデミックに偏った研究室だったので、なおさらその傾向は強かったです。

入学して半年もしないうちに打ちのめされたのですが、せっかく、努力して入学したのだからと何とかついて行って、修了することができました
博士課程への進学は漠然とは考えていたのですが、当時の打ちのめされた私には内定を頂いた企業に行くという選択肢しかなかったと当時は考えていました

私が始めに入社した企業は「三菱重工」です。
私は機械系の出身なので、なんとなく三菱重工への憧れのようなものは持っていました
本当は設計職で内定が欲しかったのですが、品質保証の仕事しか内定がもらえず、悩んだのですが、入社しました
技術者とは技術を探求するものだ。」と教育された方も多いと思いますが、私もそうでした。
でも、実際に企業で働くことになると、「必ずしも技術を探求できる」ような職場に巡り合えるとは限りません
私は機械とシステムを学んだので品質管理システムなどに関わりたいと希望を出していたのですが、全く関連のない、しかも、職場の人間関係がかなり悪い部署に配属されました。
基本的に品質関連のドキュメントを作成するのが仕事であったため、技術系を採用するニーズも職場としてはないようでした。
逆に事務系の人の方が仕事の効率が良いといわれているくらいの部署でした。
はっきり言って、がっかりしました。
がんばって大学院も出て、希望を持って、三菱重工に入社したのに事務的な仕事をしなければならないことにかなり不満を持ち、当時、全く英語が話せなかったのですが、輸出部門だったので、上司からは「英語が話せなくても、海外に行かせる。生きて帰ってこれればいい。」などと無茶を言われ、若輩者の私はとても戸惑いました。

かなり悩んだのですが、結果を言うと体調を崩し、3年ほど療養する必要があると意思から診断され、勉強不足も痛感したため、博士後期課程へと進学をしました

ここまでが、私が修士の時の話です。
参考になりましたか?
続きは「「博士」について考えてみよう!」で書きたいと思います。


少し、記事が長くなったので、ここで、一度、区切りますね。
「「修士」について考えてみよう! パート4」では私の知人について触れていこうと思います。

それでは。。。

2010年10月25日月曜日

「修士」について考えてみよう! パート2

一息ついたので、続きを書きます。

話は変わりますが、MBA以外の「修士号」は名刺には書けません
私も修士取得後、会社に勤めて、あんなにがんばって修士号を取ったのになぜ名刺に書けないのだろう?と疑問に感じたことがあります。

なぜならば、そもそも、現在の大学や大学院という学校の制度はヨーロッパやアメリカから輸入されたものなのです
欧米では修士(Master)という学位は博士(Doctor)を取得できなかった者に対して与えられる学位と位置付けられています
つまり、大学院というところは、「博士号を取得するのが第一の目的」であって、「修士を取得して、スキルアップしよう!」というものではないのです
古い考えの大学の先生などは今でもこういった考え方を持っている方が多いです。
これは、大学院の本来の意義は博士号を取るべきであるのかもしれませんが、経済的な変化や雇用情勢などにより博士まで進まれる方はやっぱり少ないですね
このことについては今後、執筆予定の「「博士」について考えてみよう!」でも取り上げてみたいと思っています
昔の人の意識では日本人でも修士を取って、博士を取らないのはなぜか?と聞かれたりすることもあるくらいです。

でもまあ、日本では「博士」より「修士」の方が歓迎されていますよね(笑)?
日本は「普通」であることが、良いとされている古い風潮が残っています
外国では良い意味で「普通とは違うものを持っている」ということが重視される場合もありますが、日本の雇用市場では、技術系では「修士」が「普通」のようです

さて、そろそろ「修士」という学位の意義について考えてみましょう!

ざっくばらんにいうと「ある程度、高度な学問を修め、ある程度、高度な研究活動を行ったことがある者」とでも定義すればいいのでしょうか?
私はそういう風に思っています。
先に取り上げた大学院の意義と照らし合わせるとやっぱり中途半端感は拭いきれません。。。

こういったことからも分かるように、修士で就職された方でも、学術的に優秀な方になればなるほど、やっぱり、学術研究や博士号への未練はあるようですね
私の知り合いにも結構います。
雇用情勢が「修士」中心なので、修士までしか取得されない方が多いですが、まあ、サラリーマンにとっては、現実的には博士号は必要ないと思います

これまで書いてきたのは国立大学のような昔からある伝統や考え方を守っている大学の話です

そうです! 皆さんもご存知のように現在の大学院は職業訓練や技術向上といった、単に学位を取得するにとどまらないような大学院も増えているのです

ここではあえて、専門職学位については書きませんが、また、機会があれば執筆してみたいと思います。

特に私立大学などになると学生の就職先、就職率が大学の評価の一つのパラメータになるので、企業受けするような実用的な技術を教えている大学院も増えています。

学術的に高度な研究を成し遂げて、名実ともに修士」となるか、「学術的でなくとも実用的な技術を持った修士」となるかは貴方の選択次第です。

これまでに技術系では「修士」は有効であると書いてきましたが、実は例外があります
中小企業や大企業でも高度な専門技術を必要としない部署では「修士」の肩書きははっきり言って邪魔です

私は「修士」修了後、某メーカの品質保証部に勤務したのですが、高卒の先輩や上司などに本当に嫌がられました

採用側の意図としては、大学院で専門技術を習得してきた「修士」が欲しいのですが現場レベルになると、学歴より、地道に努力して2年間多く仕事をしてきたタイプの方が好まれます

大学院に進学するかどうかは貴方次第。。。

またまた、話が長くなってしまったので、続きは「「修士」について考えてみよう! パート3」に書きます

それでは、また、会いましょう!

「修士」について考えてみよう! パート1

修士というのは大学院の修士課程か博士前期課程を修了すると授与される学位です。
修士号が取れるコースのことを「修士課程」と呼ぶか、「博士前期課程」と呼ぶかは、大学院の位置づけによるそうです。
一般的に名前のとおり、「博士前期課程」とされているコースでは、「博士号を取得することを前提」とした教育が行われていると考えればよいかと思います。
一方、「修士課程」とされているコースでは「修士号を取得することを目的」とする教育が行われていると考えてもよいかと思います。
どちらにも優劣はありませんが、国立大学などでは「博士前期課程」、「博士後期課程」とされている場合が多いですね

さて、「修士号」と聞くとよいイメージを持たれる方と悪いイメージを持たれる方といるかと思います。
一般に人文科学系の大学では、大学院の進学率が低いですよね。
人文科学系の方になると「学士」取得後、すぐに働いた方がキャリアアップにはよいと聞いています。
私の姉は経済学部出身ですが、経済学部の大学院に進学した人のことを「就職できなかったから、大学院に進学した人」と言っています。
または、公務員浪人的な目的で進学する人もいるようですね。
また、私の大学院の恩師の妹さんが心理学で博士号を取得しようと大学院に進学したのですが、一般的に人文科学系の大学院では修士号以上の学位を取得することが非常に困難らしく、大学院を中退したそうです。
聞いた話では大阪大学に在籍していたそうですが、大学院に長く在籍していたということもあり、就職先が見つからなかったと聞いています。

私の大学院時代の同期に俗に言う「学者一家」の人がいるのですが、その人のお姉さんが京都大学で法学の博士号を取得したそうですが、働き口がアカデミック、民間ともになく、無給のポスドクをしていたという話も聞いたことがあります。
どちらも、今は、どうされているかは知りませんが、人文科学系の大学院はかなりシビアなところのようです

一方、理工系の大学院はどうか?というと、「修士までならば、民間や公務員就職にかなり有利に働く」ということは皆さんご存知ですよね?
最近は理工系はかなり多くの人が修士号を取得されますし、技術系の職種でもある程度の規模の会社は修士号取得者を歓迎するようです。
私が今、勤めている会社でも、昨年までは学士卒が多かったのですが、今年の新入社員は技術系は全員、修士卒でした。

最近はどこの大学でも修士号が取得できるので、純粋に向学心から進学される方から就職に有利になるからという理由だけで進学される方や就職するのを先延ばしにするために進学される方からさまざまな人が理工系の大学院で学んでいます。

俗に言う「ゆとり教育」の影響で大学院に進学する学生の学力も相当低下しているそうですが、「修士までならば、教官の言うとおりに研究を進めてさえいれば修了」できます。

東京大学や京都大学などの旧帝大クラスの大学院になると必死になって研究に取り組まないと修士号を取得できない場合もあるそうですが、結構、所属する研究科の方針や研究室の方針などによってまちまちです
チャレンジして有名大学を受験してみようと思う方は一度、希望する研究室の教官とコンタクトを取って、じっくりと自分のやりたい研究テーマや学生生活について聞いてみたほうがいいかと思います
場合によっては、入ってからアルバイト禁止とか言われる研究室も結構あります。
その代わり、先生の授業のアシストをしたり、実験補助をすることにより、謝金がもらえる研究室もあり、そういう風に学生を経済的にサポートしている研究室も多いです

また、奨学金も借り易くなっているので、ある程度、経済的に自立した生活を送ることもできるかもしれません。

私は工学系の出身ですが、工学系ならば、学会発表を1件以上こなしていれば大抵の大学は卒業をさせてくれます

「学会発表」と言っても実はいろいろな形態があります。
数十人の発表者しか集まらない「研究会」または「研究発表会」などは「学会発表」には含まれません
学会の主催、共催、学会の部門が開催する発表会などのことを「学会発表」と言います
また、英語で論文を提出し、査読が入り、英語で口頭発表するような「国際学会」といわれるようなものもありますが、「英語での発表ならばどこでもいいというわけではありません」。
国際学会には、論文の採択率の高いものから低いものまであります
高いもので9割前後、低いもので2割前後が普通ではないでしょうか?
一般に採択率の低い学会で発表した方が評価は高くなりますし、投稿した論文を多くの人に読んでもらうチャンスが広がります
ただ、英語で発表がしてみたい!というだけならば、そういった学会もありますよ!
ただ、先生がそのレベルの学会発表を許可してくれるかどうかは分かりませんが。。。

自分の居所の近くで学会が開催されるとは限りませんよね?
場合によっては飛行機に乗らないと行けないような場所で開催されることもあります。
多くの研究室では、これを「出張」として扱い、出張者に旅費を支給します
ほとんどの場合は立替払いなので、一度、自分で支払う必要があります
そのあとは、大学の規定にしたがって、距離や宿のランク、移動経路などの計算を行って、旅費の支払いが行われます。


少し、長くなって来たので疲れてきました。

ここで一度、区切ります。
続きが気になる方は「パート2」をご覧ください。

2010年10月24日日曜日

「学士」について考えてみよう!

私は勉強はきちんとしていたのですが、大学生のとき、「学士」の学位についてあまり深く考えたことはありませんでした。

「学士」とは4年生大学もしくは高専の専攻科(5年+2年の課程)を卒業した者に対して与えられる学位です。
2ちゃんねるなんかで「使える資格はなにか?」というスレが立ったとき、一番にあがるのが、資格ではありませんが、「学士」の学位です。
まあ、日本も一応、学歴社会なので、大学は出ていた方が何かと有利に働くとことが多いということのようです。

私の父は高専(5年制)を卒業しているので、学歴としては「短大相当」の「準学士」になるのですが、30年以上も地道に働いて、1級建築士の資格も取得し、昨年から役員ではありませんが、幹部扱いの部長職をしています。

そんな私の父がよく言うことは、「大学名なんてどこでもいいから大学くらいは出ておいた方がいいよ」と言います。
私の父は最王手のゼネコンに勤めているのですが、父と同格の部長はみんな旧帝大クラスの大学を出ているそうです。
そんな中で、高専卒というのは少しコンプレックスがあるのかな?と思います。
それでも、そのハンデを覆し、幹部になった父はとても仕事熱心な人ですし、努力もし、才能にも恵まれた人間だと私は認識しています。
そんな人が大学に行った方がいいと言っているくらいですので、大学卒の肩書きにはそれなりの意味があるのではないでしょうか?

ただ、遊んで卒業したのでは無意味かもしれませんが、大学で学問に打ち込んだ4年間というのはとても意義のあるものだと私は思います。

卒業してすぐに大学で学んだことが役に立つことはないと思いますあ、数年先、数十年先にじわじわと現れてくるのが「学士」の価値ではないかと思います。

実社会の問題や求められる技術を理解することができる能力があると認められた者が「学士」と呼ばれるのではないのでしょうか?

なんにせよ、きちんと勉強をしておけば、就職や昇進などいろいろと人生の岐路に立ったときに、役に立つものだと思います。