ページビューの合計

2012年2月18日土曜日

博士号を取得した後のこと:「研究」は大事??

博士号を取得したのだから研究しなければならないと思うかもしれませんが、実際は研究をしていない博士なんていくらでもいます。
実際に私もその一人です。

しかし、研究で培った解析能力やシステム構築能力を求められる仕事はたくさんあります。
たとえば、私の仕事でもデータを層別して解析しなければ成り立たないものもたくさんあります。

かといって、研究しているわけではないので論文なんて書きません。

また、大学や大学院レベルの研究開発をしているけれど論文にしないだけという会社はたくさんあります。
企業の場合は技術やノウハウを秘密にする場合が多いのでアカデミックな発表はあまりしないんですよね。

一般職でも応用性の高い仕事はたくさんあります。

また、私が企業の研究所に就職した先輩から聞いた話によると企業の研究所などは結果がでるまでは徹夜や休日出勤などはざらだそうです。

普通に働いて普通に給与がもらえる一般職ととてもハードな研究職、長く働くならば、どちらがあなたの人生に有利でしょうか?

私は前者を選びました。

博士の就職を考えてみよう!!

私が博士課程を修了して早3年、後に続いて博士課程に進学した後輩が卒業できません。

私が学生の時は休日返上で風邪の日も毎日研究したのですが、最近の学生はそれほど学業に打ち込んでいない人も多いみたいですね。

さて、本論に入ります。

博士課程の就職が厳しいといっても新卒かつ28歳以下ならばまだチャンスはあります。

私は修士課程修了後1年間企業に就職した後、進学したので、28歳で博士号を取得しました。
その後、一般企業に就職し、研究職ではありませんが、それなりの生活を送っています。

職場が総務課と近く、よく採用関係のお話を聞くのですが、どうも、28歳というのが未経験で採用する際の限界の年齢のようです。

たとえば、国公立大学や有名企業出身や留学経験者、TOEICなどの有資格者ならば28歳でも採用してくれるようですが、当然、年齢が30歳に近付くほど、採用が見送られるケースが多いようです。

私の会社は4500人程度社員のいる中堅企業ですが、課程で博士号を取得したのは私だけです。

ですが、TOEIC750点くらいでワーキングホリデーを利用してイギリスに滞在した経験がある方を正社員として採用したこともあるそうです。

ソニーやトヨタのような超一流企業を目指すと難しいかもしれませんが、中堅企業ならば、職種にこだわらなければ採用される可能性は十分にあるようです。

私の知人に一浪して大阪大学に進学して一年留年して私の母校で博士号を取得した人がいますが、その人は派遣会社にしか入社できなかったそうです。
つまり、就職する際の年齢が私より1つ上、29歳だったのです。

片や一般企業に就職したとしてもほぼゼロからのスタートに近いので、想像を絶するほど厳しいです。
3年くらいは下積みをする覚悟がいるかと思いますが、パーマネントでそこそこの収入は得られます。

幸い私は職歴があったので、中途入社で修士卒よりも高い初任給がつきましたが、博士採用の実績がない会社では修士課程と同じ待遇になることも覚悟しなければならないと思います。

しかし、パーマネントの社員になれば厚生年金や健康保険、福利厚生など任期付き職員では得られない待遇が退職するまで得られます。

研究にこだわらず、就職するのも考えだと思います。

博士号を取得すれば終わりではないのです。

まだまだ人生は続きますので、結婚や親の老後など経済的な問題を抱えることも十分あります。

生涯設計のできない仕事に付くというのは大人として大事なことだと思います。